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第7弾だよ。


by tsado17

約束(その3)

                 ・・・・・・・・★8・・・・・・・・
同人誌「鬱屈の春」の下に集まった文学サークルの沙紀との場合もそうだった。俺が沙紀を大きな舞台にのし上げてやったようなものだ。

数人の女子サークル員が女の貞操・純潔について、議論していた。
「私はレスビアンよ。男に支配されない女性を目指しているの」
「貞操・純潔は男の作り上げた、女を支配するトリックよ」
「ふん、純潔を大切にして、将来の夫になる男のために取っておくだって? 笑わせないでよ。女なんて、ハンサムな男に言い寄られ、あそこ辺りを優しく触られると我慢できなくなる生き物なのよ。自分から進んで貞操なんて捧げちゃうんだから」
沙紀の発言は、真面目な女子学生が主流を占めていた議論で完全に浮いていた。
俺は沙紀とほとんど同じ見解を持っていた。合間合間に、話の腰を折らない程度に、沙紀に同調の意見を述べていた。その辺から沙紀は俺に好意を抱いてくれたようだった。

二人で一緒に、居酒屋で酒を飲むようになった。
その夜、ふらふらに酔っ払った沙紀に生い立ちを聞かされた。
「ウ~イ、隆志、もう1本ずつ飲もうぜ。あたしさ。川崎の貧民街の汚らしい木造アパートで生まれて育ったのよ」
「小学4年のとき、同居していたママの愛人に、レイプされそうになったんだ」
「始めは、裸にされて、指で触られ、舐められるだけだったんだ。でも、とうとう無理やり入れようとしてきたの。私、研いでおいた出刃包丁を持ち出してさ。刺すつもりだったのよ。私の本気が伝わったみたい。男が引いたの。というより、チンポコが縮んで続行不能の状態になったのよ。私の男嫌いの原点よ」
「ママは川崎の堀の内のソープ嬢だったの。愛人は、12歳年下の建設現場の鳶職。ママが深夜過ぎに帰ってきてから、二人のセックスが始まるのよ。ママは仕事のセックスで疲れている筈なのに、彼との絡み合いは別物みたいなの。薄いフスマだけの隣りの部屋で、2時間近くも毎晩のようにママの嬌声と、男の荒い息遣い、二人が身体を合わせる音を聞かされていると、純潔も、貞操も、へったくれも、なくなっちゃうわよ」
「ママが早番のときの夜、二人になると、ママの愛人、相変わらず私に手を出そうとするの。そういうとき、歩いて2分のところにあるチハルのマンションに避難するようになったの。チハルのママは、ママの親友。もちろんソープ嬢よ。若いときから、一緒に働いてきたみたいなの」
「一緒に夜を過ごしているうちに。いつの間にか、私とチハル、できちゃったの。レスビアンのカップルの誕生よ」
「始めは、可愛いくて、セクシーで、ハデ系の恰好が似合うチハルに、私が一方的に惚れたのよ。色っぽくて、上品で、ミステリアスで、ピンクの胡蝶蘭のような、チハルの唇。キスしたくて、キスしたくてたまらなかったわ。でも、嫌われるのが怖くてなかなかできなかったの」
「チハル、その頃、ママのことで悩み事を抱えていたから、私、いつも優しく励ましていたわ。その夜、チハルが我慢できなくなって、とうとう泣き出して涙が止まらなくなったの。私、ごく自然と、ただ慰めたいという一念だけで、チハルの両頬を両手で挟んで、唇を合わてしまったの。始めてのキッスよ。そのとき、始めてチハルの吐く息を吸い込んで失神しそうになったわ。チハルに惚れていたのよね。それから、ごく自然にキスをする関係になったのよ。しばらくはうれしくてうれしくて、薔薇色の日々だったわよ」
「DVDで,評判のラブストーリーの映画を視て、ラストの恋人達の濃厚なキスシーンに二人ともすっごく感動したの。それがきっかけで、ディープなキスもするようになったわ。ベロベロキスの心地よさに魅せられて、夢中になったわ。テレビを視ながら、日常のなんの変哲もない会話をしながら、ディープなキスを交わすようになっていったわ。その頃からかな。二人の心の一体化を強く感じるようになったのは。お互いを恋人と認識するようになっていたのね」
「お互いの口の中の全ての造作を把握するんだと言い合って、3時間くらいも、口が痛くなるまで、舌を絡み合わせ、唾液の交換をしながら、口の周りをベトベトにしてキスをし続けたこともあったわ」
「オナニーは既に二人ともしていたわ。でも、そのうち、二人で一緒にオナニーをするようになったの。始めは手を使って、お互いを手助けして快感を高め合っていたわ」
「私が、恋人同士はあそこにもキスをするんだと何かの本で読んで、実践してみたくなったの。お口で、オナニーと同じ快感をチハルに与えられるか、試してみたの」
「最初だけ、チハル、ちょっと嫌がったかな。陰核近辺を漠然と舐めることから始まったの。舌先でクリトリスを左右に転がすように舐めると、チハルの声が今までない感じでうわずり始めたの。これだって思ったわ」
「唇ですっぽりクリトリスを覆いながら、舌先をふるわせたり、舌先をすぼめ尖らせてドリルのようにして膣口をかきまわしたり、舌技テクニックを少しずつを覚えていったのよ」
「チハル、恥ずかしがらずに、身をよじらせて大きな声をあげるようになっていったわ。肉体が変わったみたいに反応し出したの。絶頂感も感じていたのよ」
「私とチハル、自分達がレスビアンと認識し、レズプレイを堪能できるようになると、他のレズの女の子にも目が向くようになったわ。私、キスしたい可愛い子がたくさんいたけど、声をかけても、それとなく断られちゃうの。自信をなくしたわ。それでも、3人の子と身体の関係を持ったわ。私、いったん仲良くなると、長続きするのよ。私の愛撫が丁寧ですごく気持ちが良いんだって」
「チハルはすごい発展家だったわ。レズの子にすごくもてるんだもの。可愛い子を連れて来て、これ見よがしにキスをしながら、紹介したりするのよ。もう妬けて、妬けて。顔に出ないようにじっと我慢していたわ。心の広いところをアピールしていたのかな」


俺が聞いてもいないのに、沙紀ったら、チハルが少し妬いてくれたとうれしそうにそのときの会話を語ってくれたんだ。

「オネエチャン、時々、眞弓と会ってるでしょ。かなり入れ込んでいるみたいね」
「あの子、悩みがあると、私に相談にくるのよ。私の愛撫をすっごく歓んでくれるの」
「嫌だあ、あんまり眞弓と仲良くしないでよ。オネエチャン、私の恋人でしょ」
「ひょっとして、妬いてくれてるの?」
「妬いてなんていないわよ。腹が立つだけ。オネエチャン、私のことだけ、考えてよ」
「はいはい」
「眞弓、バイセクシュアルらしいわよ」
「そうなの。バイセクシュアルだって、いいじゃない。私、全然気にしてないわよ」
「眞弓と付き合うと、レズの子に嫌われるわよ」
「いいわよ。私、どうせもてないんだもの。チハルさえ、私を愛してくれていれば、それでいいわ」
「眞弓と付き合うなら、私が別れると言ったら、どうする?」
「もちろん、眞弓と別れるわよ。でも、チハルはいろいろな子と付き合って愉しんでいるのよね。私も何人かと抱き合ってもいいんじゃない?」
「そうよね。眞弓と会ってもいいわ。でも、私のことを一番に愛してよ。私、オネエチャンを深く愛しているんだから」
「もちろんよ」
「眞弓、美人じゃないけど、性格はとても可愛いのよ。会うといつも、私にキスをせがんで甘えてくるの。それにね。眞弓ったら、チハルのしたがらない69も貝あわせもやってくれるのよ。チハルと違った具合に愉しめちゃうの」
「ごめん。私、オネエチャンがタチ、私がネコと割り切り過ぎているみたいね。オネエチャンのあそこに、もっとキスをするようにする」
「ねえ、チハル、私、バイセクシュアルの意味がよくわからないの。教えてくれない?」
「皆が言うには、両性愛者のことなんだって。レスビアンの場合は、男の人も愛し、男の人ともセックスする女性のこと指すらしいわ。不潔な女の子なんだって」
「男とセックスする子は許せないの? 構わないじゃないの」
「私、実は、何度聞いても、同性愛とか、異性愛とか、両性愛とかの細かい違いがよくわからないの」
「レズとホモが同性愛だろ。男と女でセックスするのが異性愛だろ。両方の性とセックスするのが両性愛だろ。そう単純に割り切って駄目なの?」
「なんか、もっと複雑みたいなのよ」
「男とか女とか関係なく、魅力を感じて好きになった人とセックスすればいいと思うんだけどな。私の考え方って、レスビアンとしては少数意見なのかな。私ね。今はチハルや眞弓と交わるレスビだけど、少し気になっている男のダチ公がいるの。私、ひょっとしたら、バイセクシュアルになっちゃうかもしれない。そうしたら、チハル、どうする?」
「もちろん怒るわよ。でも、そのときになってみないと、わからない。私のことを一番愛してくれて、これからもずっと一緒に暮らしてくれるのなら、許しちゃうような気もするし。でも、本当にわからない」


沙紀の部屋で飲みながら、文学の話していたとき、俺にそれとなく言うんだ。
「隆志、私に手を出そうと思っても無駄よ。私には、チハルという恋人がいるんだからね」
「そんな気持ちはこれっぽっちもないよ。沙紀は俺の男のダチ公なんだからさ」
「でも、男と男の友情なら、ホモ的な友情表現なのよね」
「俺達、男と女なのにホモになっちゃうのか? さっぱり、わからんな」
「隆志、チハルは、今でも好きで好きでたまらないんだから。チハルのことを思うと、あそこがじっとりと濡れてきちゃうんだから。私に、絶対に変なこと、するなよ。ママの愛人は刺せなかったけど、隆志なんか、簡単に、刺しちゃうんだからね」
「わかったよ。あり得ない想像、でっちあげるなよ」
あえてこんなことを言い出すなんて、沙紀、なんだか俺とのセックス、意識し始めているんだって、ピーンときたよ。

沙紀は、大柄で、いかり肩のがっちりした体形。
ペチャンコの胸。膨らみのない尻。スカートが笑いたくなるくらい似合わない。
でも、顔の素材は、ふっくら気味だが悪くはないんだ。唇は厚くて妙にエロく、眼だけが異様にギラついている。黒縁の眼鏡をかけ、手入れなどしたことがなさそうな荒れ放題の肌。
しかも超短髪で、男物の服を愛用とくれば、近くに寄らない限り、男に見えてしまう。

度々、作家志望の沙紀とは、二人きりで一緒に酒を飲むようになったが、女を感じることがなく、手を出す気持ちなど、全くなかった。
男女通じて友達はほとんどいなかったが、沙紀だけは別。心を許して付き合えた。お互い、男友達としてつきあっていたのかな。男同士以上の男の堅い友情。気が合って、いつもつるんで行動するようになっていた。

沙紀の所に泊まりに行って、朝まで、青臭い文学論を闘わしたが、男と女の関係に進展することはなかった。女と同じ部屋に泊まって手を出さない自分に驚き、沙紀とは男同士の付き合いなんだと改めて確信した。

3LDKの三鷹のマンションに沙紀は住んでいる。
沙紀のママ、メンスがあがって落ち込んでいたところに、店長に肩たたきらしきことをされて、ソープの引き際が近いことを悟ったんだ。
ヒモ同然の男と別れ、生活を一新することを決意したそうだ。
コツコツ貯めていた銀行預金をはたき、腐れ縁のある川崎から遠い、武蔵野の面影の残る三鷹で、娘と一緒に老後を暮らすために、購入したマンションということだ。

「その豪華なダブルベッドに触るのは厳禁よ。そのベッド、私とチハルのためのベッドなんだから。私、バイトを増やして、頑張って買ったのよ」
結局、俺はベッドの下で布団をひいて寝せられた。

「私は、もの書きの卵。何でも経験がモットーよ。小説の中で、男をうまく描けなくて悩んでいるの。男の世界、男が好むものを体験してみたい。男の気持ちを知りたいのよ。お前、協力しろ」
「それより、女とばかり乳繰り合わないで、男と一発やれよ。その方が効果的だと思うけどな」
「わかった。男の世界の体験がダメだったら、男と一発やる」

沙紀の積極的な行動力には驚いてしまう。俺と一緒に男性トイレに平気で入るのだ。男達が小便器で用を足す姿を後ろの片隅からじっと眺めて観察するんだ。
「ねえ、ねえ、男達、老いも若きも、オシッコを終えて帰るとき、良い顔してるわねえ」
「女だって、そうだろ。すっきりしないのかい?」
「そうよね。身体の中のいらないものを廃棄したんだものね。それが、すっきり感に繋がるのよね。納得できるわ。でも、オシッコを終えたとき、腰を振っている人が多いんだけれど、何かのおまじない? 競馬に当たりますようにとか、イイ女とやれますようにとか・・」
沙紀、男便所でも、もちろん、オシッコは個室でしゃがんでやっていたが、そのときは、一緒に個室に連れこんで、眼前で、放尿してチンポコを振って実演してやった。説明より実演さ。物書きの相手は実に面倒臭い。
「納得よ。オシッコ、振り切って、パンツや床を汚さないようにしているのね。それにしても、女は終わった後、腰を振らないわね。そうか、泌尿器の構造が違うのか。代わりに女は紙で拭かなければならないのよね。でも、隆志のペニスって、フニャフニャでちんまりとしているのね」
「うるさい! 俺の好意をそんな言葉で返すんか。チンポコはいざというときに、大きくなればいいんだ。今度、お前の眼の前でビーンと聳え立たせてやる。ああ、腹が立つ」
その晩、俺は、布団の上で、素っ裸になり、ローションを塗って自分のチンポコをひたすらしごいた。不十分であったが、セックスができるくらいに固く大きくなった。沙紀、ベッドの上から、目を皿のようにして、覗き込んでいた。
「サキ、どうだい。俺のチンポコ、自分でやっても、これくらいになるんだ。好きな女とセックスするときなんか、ビーンビーンのカチンカチンさ。太さも二倍くらいになる」
ちょっと、オーバーに言ってやった。
「本当に凄い。隆志でも、こんなになるんだ」
「馬鹿野郎。でもとは、なんだ、でもとは。俺はセックスのテクニシャンだぞ。たくさんの女を泣かせてきたんだ」
「ホラ、吹くな」
「ホラかどうか、試してみろ。今度、俺とセックスしてみるか? ヒーヒーと、泣いて歓んじゃうぞ」
「結構よ。隆志なんかとするわけないでしょ」
「俺だって、サキとなんか、嫌だよ」
「でも、隆志の大きくなったペニスを見ていると、なんだか、それ、入れてみたくなっているの。考えとくわ」
by tsado17 | 2013-05-30 02:24 | 約束